今が狙いめ!?「人手不足の業界・企業　最新トピックス 【後編】

2020年、コロナウイルスの蔓延による影響で転職活動の計画が狂わされたという方や、同じく採用について多くの見直しをせざるを得なかった企業の方も多いのではないでしょうか？そんな、波乱の時でもあった2020年の求人市場の傾向をデータ分析と共にお伝えしていくこのシリーズも後編です。

前編では企業規模や業種といった区切りで、コロナ禍の2020年における正社員採用事情についてお話しました。
後編では2020年の求人募集数のデータを元に、伸びしろが大きい「旬」の求人についてお伝えしていきます！

異業種からの参入も盛んな「医療・健康系」

新型コロナウイルスの流行を受けて、今医療機関は非常に活発になっており、同時に人手不足に悩まされていることは皆さん周知の事実かと思います。
しかし、実は活発になっているのは医療専門職のみならず、健康食品メーカーなどの一部の他業種も「コロナ対策・予防」という形で活性化しています。
故に「医療・健康」といったジャンルを取り扱う企業は今が旬！

2020年2月から4月の間に求人件数が180%にまで増加しており、他職種の募集が下火になる中この業種だけが大きく伸びているというのが注目ポイントです。

景気の影響を受けず、安定した伸びを見せる「インフラ系」

緊急宣言時、エレクトロニクスやモビリティーの専門分野における求人総数は実に7割にまで落ち込むという激減ぶりを見せました。そんな技術系の職種の中でも、発電所の施設管理や施工管理、産業用の電気設計業務などは軒並み100%以上と増加する傾向を見せました。

これは恐らくこれらが全てインフラにまつわる業種であり、需要が常に一定であり不景気によるあおりを一切受けなかったためだと考えられます。

コロナによる不景気が謳われる今の世の中でも、インフラ系の業務は安定した求人が見込めそうですね。

DX推進による影響で採用が活発な「金融系」

DX※推進による影響、そして大量採用時代の社員が一度に企業を退職することによる激減を見越している金融系の企業は、とくに即戦力や総合職になるような人材を中心に採用に積極的な姿勢を見せています。

業種もリスク監査やデジタルマーケティング、事業企画といった”攻め”の分野の募集が活発です。またWeb面接を行う企業も多く、企業によっては中途採用をWeb面接で行ったり、最終面接までWeb上で完結させるなどと漸進的な対応が見られました。

※DX…デジタルトランスフォーメーション。企業は避けては通れないデジタル化に伴うシステムや業務、ビジネス形態の変革。

全体の約七割の企業が継続している「中途採用」

エンワールド・ジャパンによるアンケ―トによれば、2020年のコロナ禍においても約7割の企業が「中途採用を継続する」という意思を表明しています。その背景にあるのは少子高齢化による人口縮小による人材不足と、不景気により人材育成にコストが割けない＝即戦力が欲しいというマインドです。

また、興味深いのは採用に対して「非常に積極的」と答えた企業が理由として「一部求人を止めている企業がいるため、優秀な人材を確保しやすい」と述べている事実です。これはまさに人手不足による「売り手市場」を体現した企業の本音だと言えるでしょう。

職種の中では最も伸びしろが大きい「営業」

コロナによる影響が最も大きく出た2020年2～4月の間にて、職種別でもっとも伸びしろが大きかったのが営業（114%）です。またエンワールド・ジャパンによるアンケ―ト結果でも、中途採用で採用したい職種が営業であると外資系企業の43%、日系企業の41%が回答し、全体の割合で最多を記録しました。

特に「マーケティング・商品開発・広報」のジャンルは前述のDX推進と合わせて非常に需要が高まっており、これらの中途採用転職はまさに旬と言える状態です。

最後に、分かりやすく一覧にまとめて見ましょう！
・コロナの影響により「医療・健康」に関する求人は総じて活発
・不景気による影響を受けない「インフラ系」求人は安定した数字が見込める
・人手不足とDX推進により「金融系」求人は増加傾向
・人手不足と不景気の影響で「中途採用」は活発・職種という区切りで最も旬なのが「営業」。特に中途採用での応募が活発。

如何でしたでしょうか？

もし、転職活動を考えながらもコロナが理由で踏み切れないという方がこの記事を読んでいらしたら、このデータを参考に計画を立てて頂ければ幸いです。